福祉用具貸与のみのケアプラン、介護報酬のカットを ~財務省(2024年度からの実施を主張)

13日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、財務省は居宅介護支援のケアマネジメントについて、ケアプランが福祉用具貸与のみのケースの介護報酬を引き下げるべきと重ねて主張しました。

膨張を続ける給付費の抑制につなげたい考えと、40歳以上の保険料負担が重くなり過ぎるのを防ぐ狙いだそうです。

 

財務省は介護報酬を引き下げる根拠を、「サービスの内容に応じた報酬体系とすること」と説明。福祉用具貸与のみのケースは他と比べて労力が少ない、という認識に基づき論陣を張っています。

もっとも、こうした意見には介護現場からの反発が強く、例えば厚生労働省の有識者会議では、以下のような声があがっています。

”「ケアプランにはインフォーマルサービスなども含まれており、モニタリング以外の場面で細かな連絡調整も行っている。福祉用具貸与のみだからといって業務負担が少ないとは言えない」”

”「福祉用具貸与のみのケースの介護報酬を引き下げる場合、必要性が不明な他サービスを加える可能性も考慮すべき」”

 

財務省はこのほか、歩行補助杖や手すりなど廉価な福祉用具を貸与から販売へ切り替えることで、居宅介護支援費をカットすることなども求めています。政府は今後、2024年度の制度改正・報酬改定に向けて議論を深めていく方針・・

 

現在、「福祉用具のみプラン」と他のケアプランとの間に報酬の差はありません。ただ、「福祉用具のみプラン」は軽度者が多いため、ケアプランを作成する過程での話し相手や相談といった業務負担は大きいのです。

ケアマネの人手不足も深刻化し始めている中で、「用具のみプラン」の報酬だけを引き下げるのは、リスクが高いですね。下手をすると、福祉用具貸与だけが必要な利用者の中で「ケアマネ難民」が相次ぐ状況にもなりかねません・・

何か改善策も見据えた前向きな議論を期待したいですね。