介護従事者の高齢者虐待が12年連続過去最多を更新 厚労省調査

厚生労働省の調査によると、 2018年度に発生した介護施設などの従事者らによる高齢者への虐待件数が 過去最多を更新しました。

虐待と認められた件数は 621件で前年度より100件余り増えたことになり、前年比 21.8%増という高い伸び率で、ますます深刻な問題になってきています。

調査によると、 市町村や都道府県が 介護保険施設などの従事者による虐待について相談・通報を受け付けた件数は2,187件 。前年度15.2%の伸び率で相談や通報自体も増えている状況。

虐待の内容の構成比では身体的虐待がトップで以下のようになっています。


・ 身体的虐待  57.5%
・ 心理的虐待  27.1%
・ 介護等放棄  19.2%
・ 経済的虐待  5.8%
・ 性的虐待   5.4%

虐待が判明すると経営を揺るがす事態にもなりかねません。我々経営者としても日頃の職員の勤務状況をしっかりと把握しておかなければなりません。

次期介護報酬改定は事務負担の軽減が大きなテーマ

厚生労働省が17日に全国部局長会議を開催しています。

この会議は、 都道府県などの担当者に当面の重点施策などを説明することも大きな意味合いがありますが、会議の中で「2021年度の介護報酬改定においても、文書をいかに減らしていくかが大きなテーマ」 との介護保険を取り扱う担当局長の気になる発言がありました。

介護の事務負担軽減は重要テーマで、度々厚生労働省もその取り組み方について議論をしていて、会新塾でもその情報について紹介をしてきました。

http://kaishinjuku.jp/info/news/新システムを構築し介護の事務負担減へ 厚労省/

老健局の資料を確認すると、文書負担軽減でICT等の活用をあらためて推進していくことを表明していますが、介護事業所としても将来を見据えて職員のITCリテラシーを上げておくなどの取り組みが必要かもしれません。

介護サービス事業者の収支が悪化 厚労省調査

新年の大発会では中東情勢の緊迫化で波乱含みの展開になっていますが、年明け早々景気悪化の懸念も出てきています。

介護業界でも厳しい調査結果が昨年末に厚生労働省より明らかにされており、人件費上昇などが経営に打撃を与えているのが浮き彫りになっています。

厚生労働省は昨年暮れの12月27日に「令和元年度介護事業経営概況調査結果」を公表していますが、利益率の低下が明らかにされており、介護サービス事業者の収支の悪化が見れます。


厚生労働省が公表をしている実際の資料を紹介をします。

出典 厚生労働省

全サービス平均の数字では利益率は3.1%という数字。この数字は前回29年度決算と比べて、30年度決算は0.8ポイント低下しています。
さらに 財務省の法人企業統計調査の全産業平均の利益率と比べてみると介護事業者の経営がいかに厳しいかがわかります。
財務省の法人企業統計調査の全産業平均の利益率 は昨年度で5.3%と比べると2ポイント以上の開きがありますから、より厳しい経営環境であることは明らかです。
厚生労働省によると、 人手不足によって人件費が上がっていることや、給食や掃除などの委託費の増大が大きいと分析をしています。


人件費上昇は人手不足だけでなく、政府も最低賃金を年々引き上げており今後もその流れが続くでしょうから、ますます厳しくなることが予想されます。

人件費上昇だけでなく基本報酬の引き下げも、もちろん経営を圧迫する要因となっており、 基本報酬の引き下げも重なった訪問介護や通所介護の下げ幅が大きいこともその現れです。


人件費上昇と基本報酬引き下げ圧力が今後も予想される介護業界ですが、介新塾ではこの厳しい状況をできるだけ上手く乗り切れるような有益な情報を発信していきたいと思います。

あけましておめでとうございます!

新年あけましておめでとうございます。

皆様におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
また、旧年中は、介新塾の様々な情報交換の場に参加していただき本当にありがとうございました。本年も、更なるサービスの向上に努めて参りますので、経営者の皆様にとって有意義なものであれば幸いです。

2020年が皆様にとって素晴らしい年でありますよう、心よりご健勝をお祈り申し上げます。

本年もどうぞ介新塾をよろしくお願いします。